日本航空破産の啓示
このタイトルで記事を書いていたのは、中国のテレビ「キャビンアテンダントへの道」で話題になった中国南方航空の機内誌。記事タイトルを日本語化すると「高鉄 競争と競合 日航破産の啓示」英語タイトルは An Alert from JAL's Bankruptcy、わかりやすく表現すると「高速鉄道との競争と競合による日航破産の啓示」。この記事は、隣の国で起こった航空会社破綻を自国の高速鉄道網整備の状況と比較しているので、それなりの危機意識をもっていることを示している。
◇多重要因の中で高速鉄道に焦点
中国の鉄道網は、日本の昭和40年代というと怒られるかもしれないが、一部地域は今後2年間でおそらく日本と同レベルになるほどの勢いで都市間の高速鉄道を整備している。中国南方航空の機内誌は、ここに焦点を当てた記事になっており、輸送コスト・客数などにおいて「航空<<鉄道」で鉄道有利であることを説き、対岸の火事とは思えない、近い将来自分たちにも降りかかってくるということを暗示している。
◇20年前にはドル箱航路で戦いが
さて、東京-新大阪間を何時間で新幹線が結ぶのか、正確な数字を思い出せないが、3時間半が2時間ちょっとになりドル箱航路で戦いが始まったのは「シンデレラエクスプレス」のCMが始まった頃だったように思う(シンデレラエクスプレスについては 2008年12月20日の記事 キーワード:深津絵里・牧瀬里穂・星野真里 )。
ちなみに国土交通省の資料を見ると、東京-大阪間の航空旅客数は平成2年3800万人(1日15便)が平成16年には関空を含めると8600万人(43便)も飛んでいる。
私の記憶では、東京-大阪間の回数航空券は割引率が高かったように思う。そしてマイルを貯めたビジネスマンが多いためか、夕方便の羽田行きにでも乗ろうとすると、出発直前にラウンジから搭乗口へビジネスマンがどっと出てくる光景に出くわすことも多かった。
◇北京-上海の高速鉄道が完成すると
北京-上海間(1300km)の高速鉄道が、2011年には試験運行をはじめると言う。時速380キロで4時間、片道500元と予想されている値段は、まさしく現在の北京-上海間の格安航空券と同じ。上海までの鉄路には、長江デルタ地帯の途中駅(南京など)も存在するので、GDPの半分が生産されている地帯を縦断する。日本の新幹線以上の経済効果が見込めるとの予測を発表しているが、日本と同様にドル箱航路での戦いが始まろうとしている。
◇中国南方航空の危機意識
そう、中国南方航空の危機意識はそこにあるようだ。一般向けに書いたのではなく、関係者への啓示なのかもしれない。だから「神の啓示」なのか?しかし高速鉄道は上海近郊(特に江蘇省南部)発展の可能性を期待させるし、遅れが目立つ中国の航空業界への渇(カツ!)という意味ではありがたい?
◇参考までに
私の記憶では、7年前は上海-北京間は23時間ほどかかった(昔の寝台特急富士の東京-西鹿児島間と同じ)。現行は日本の東北新幹線をベースにしたCRH2で9時間に短縮、値段は450元(6000円強)。走行車両は日本やドイツなどの競合になったが、結局中国国産での開発になった。この上海-北京間の高速鉄道に接続される形で北は北京から瀋陽(日本領事館での事件を思い出す)や上海から杭州、内陸のハブ都市から中国南部の都市へと支線がつながっていくようだ。よって、日本の新幹線縦断網(青森-鹿児島間)が整備されるのは九州新幹線全線開通の2011年3月で、およそ50年かかったわけだが、これをあと1,2年で実現するのだから中国パワー恐るべしといえるかもしれない。
日本航空は60歳で破綻、中国の航空業界は30歳だが、鉄道と競合する時代をどのように乗り切るのか?
【超速中国語】

コメント
コメントする