牛肉密輸!上海浦東空港
日本から中国へは、BSE問題のため牛肉を輸出できない。正確に言うと、中国は日本を狂牛病危険地に指定しているため、日本産牛肉及び関連製品の持ち込みを禁止している。ということは、手荷物だろうが日本の牛肉を中国に持ち込んではいけないことになる。もちろん反対に、中国では偶蹄類の動物がかかる急性伝染病「口蹄疫」が蔓延しているため、日本だけでなく欧州連合(EU)も中国からのブタや牛など偶蹄類動物とその産品の輸入を認めていない。
◇中国産牛肉の問題点
中国の乳製品メーカーで「蒙牛」は有名、この名の通り、牛は新疆(しんきょう)や内モンゴル自治区などの牧草地で飼われている。もちろん、牛の多い新疆(しんきょう)や内モンゴル自治区では昨年公表されているだけで5回も「口蹄疫」が発生している。また、今年になって北京や広東省でも発生している。
もう一つの問題点は、工業用染料の使用である。牛肉をキレイに見せるため、各地にある牛肉加工村では「スーダンレッド」と呼ばれる発ガン性の高い工業用染料を着色剤として使用しているので、中国産牛肉の食用は控えたほうが良いことは事実である。
結果、貿易不均衡の面からも、日本産牛肉の中国輸出が解禁になる可能性は、中国輸出を願う日本の食肉業者には申し訳ないが当面望めないと考えるほうが得策である。なぜなら、相互解禁により、発がん性の高い食肉加工品を流通させる危険性や日本側での「口蹄疫」発生により、日本産牛肉を海外へ輸出できない事態にもなりうるからだ(元も子もない)。
◇中国の牛肉消費量は急増中
中国国内の需要は、国内産の牛肉より海外産の牛肉に移っている(主にオーストラリア産)。しかし、安全性の高い日本産の牛肉は、需要も高く値段も日本の数倍することは事実である、無論、中国へ密輸された「禁制品」であることは間違いない。日本で牛肉が食べ始められた頃は、文明開化の横浜である事は、以前の記事:ブラタモリ@横浜の文明開化の味 牛鍋 でも紹介したが、豚肉や鶏肉中心であった中国でも近年、牛肉の消費量が急増している。FAOデータベースを覗いてみても、日本の消費量が伸び悩んでいる反面、中国では豚肉から牛肉への移行が相当程度進む可能性があることを示すデータが見つかる。
◇密輸も急増中!
最近の浦東空港で摘発された牛肉密輸において、1便1グループで960KGをハンドキャリー(手荷物持込)していた例がある。日本人と中国人の複数メンバーとのことであるが、牛肉のレベルによっては日本国内の数倍以上で取引される日本産牛肉の魅力は大きいようだ。これだけの量と組織的な動きがあれば、没収されてお終いというわけにはいかないだろう。
そして、究極は「麻薬犬」ならぬ「牛肉犬」が浦東空港にはいるようなので、ハンドキャリー持込は辞めておいたほうが無難である。
◇それでも日本産牛肉は存在する
ちょっと高級な鉄板焼きや焼肉屋に行けば、日本産牛肉を食べることができる。なんとも、素晴らしい国なんでしょうか?と感心してしまうほどである。香港ルートなのか?ベトナムルートなのか?相当数が流通していることは事実。
◇中国で質の良い牛肉を食べるには
大連産の黒毛和牛であれば問題はない。というのは、大連産の黒毛和牛には日本の商社や食肉会社が出資した雪龍(中国語では、しゅえろん)という会社で飼育されたものだから、まだ安心できるということ。しかし、大連産の本物を出すかどうかは、そのレストランや料理屋自体の対応なので、できるだけ信用できそうな店をセレクトすることを忘れないこと。私の経験から言うと、網焼きした時に大連産以外の中国産牛肉は水が表面にジワっと噴出してくることが多い(これは、重量を増やしたい売り手の問題)。
ちなみに、大連産黒毛和牛のA3以降(最高品質はA5等級)のステーキは日本で食べる値段とさほど変わらないと思っていたほうが良い。流通している金額はサーロインもリブロースも日本と同レベルの価格帯なので。
最後に、質の良い大連産黒毛和牛は、十分に黒毛和牛の味わいを楽しめるのは確かである。
Photo by だい(写真はA5等級のステーキ)
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